お歳暮とは?贈る時期や相手などの基礎知識、気を付けたいマナーや品物の例を解説
お歳暮は、1年の感謝と来年への挨拶を込めて、お世話になった方へ12月頃に渡す贈りものです。
11月以降になるとお歳暮を贈る時期になりますが、何日頃に渡すべきか、品物はなにが良いかなど迷うこともあります。相手に感謝の気持ちを伝えるために用意したお歳暮も、失礼があっては台無しです。
また、お歳暮を受け取った際のお礼として、なにをすれば良いか気になる方もいるでしょう。
この記事では、お歳暮の基礎知識やマナーを解説します。お歳暮について理解を深め、適切な対応ができるよう役立てましょう。
お歳暮とは?
お歳暮は、1年の感謝と来年への挨拶を込めて、お世話になった方へ12月頃に渡す贈りものです。
昔は年の暮れ(歳暮)になると、相手先へ出向いて感謝を伝える「歳暮周り」の習慣がありました。その際持参していた手土産がお歳暮です。
最近はお歳暮を持参せず、配送サービスを利用して贈る方も増えています。
まずは、お歳暮を贈る時期や相手、お中元との違い、時期を過ぎた場合の対処法を確認しておきましょう。
お歳暮を贈る時期はいつからいつまで?
お歳暮を贈る時期は12月上旬~12月20日前後、遅くとも12月25日頃までが一般的ですが、地域差もあります。
年末が近づくにつれ、お正月の準備で忙しくなることも考慮すると、12月25日頃までに渡すほうが無難です。
また、お歳暮の意味を考えると早い時期に贈るべきではありませんが、関東では11月下旬に贈っても良いとされています。
沖縄は他の地域よりもお歳暮を贈る時期が長い傾向にあり、12月初旬から12月25日頃とされています。
それ以外の地域では、12月10日頃から12月20日頃が一般的なお歳暮を贈る時期です。
関連記事:「お歳暮を贈る時期はいつからいつまで?遅れたときの対処法や贈るときのポイントを解説」
お歳暮は誰に贈る?
お歳暮は基本的に、今年1年を振り返ってお世話になった相手や、今後も付き合っていく相手へ贈ります。
- 離れて暮らす家族・親族
- 両親
- 義両親
- 兄弟姉妹
- 親戚
- 職場の関係者
- 上司
- 取引先
- 恩師・お稽古事の先生
- 親しい友人 など
お正月に先祖へ供える品物を本家へ贈っていた習慣から、両親や義両親、独立している兄弟姉妹、親戚などに贈る場合もあります。
家庭によって習慣は違うため、配偶者親族との付き合いがこれから始まる新婚家庭などは注意しましょう。前もって配偶者からお歳暮の習慣を確認し、直前になってから慌てないよう準備します。
他にもお歳暮は上司や取引先など、仕事関係の相手に贈るケースがあります。
お世話になった相手へ贈る慣習から、恩師やお稽古事の先生もお歳暮を贈る対象となるでしょう。
また、最近は親しい友人間で贈り合うケースもあります。地元の名物や相手の好きなものなどを贈り合えば、交友を深める機会にできるでしょう。
ただし、立場上受け取れない決まりがあったり、受け取らない方針をとっていたりする場合もあるため注意が必要です。
お歳暮とお中元の違いとは?
お中元も、お世話になった方へ贈る点は共通していますが、贈る季節が異なります。
お歳暮は年末(冬)に、お中元は7月上旬からお盆頃(夏)に贈ります。
季節の違いから、選ぶ品物も異なってくるでしょう。
お歳暮に喪中・忌中は関係する?
お歳暮は1年の感謝を込めて贈るため、喪中に贈ったり受け取ったりしても問題ありません。
ただし、忌中(49日が明けないうち)にお歳暮を贈ることは避けるようにします。お歳暮を贈る時期と忌中が重なるようであれば時期をずらし、お歳暮以外の形で贈る方法を考えましょう。
お歳暮に代わる方法として、お正月の挨拶時に渡す「お年賀」を贈ろうと考える方がいるかもしれませんが、新年を祝う意味があるため喪中では渡せません。季節を見舞う挨拶として贈る「寒中見舞い」として、松の内(関東なら元日から1月7日、関西なら元日から1月15日)を過ぎてから渡すと良いでしょう。
もしもご自身が喪中・忌中の際にお歳暮が届いた場合は、ありがたく受け取り、お礼状を送りましょう。
お歳暮を贈るときに気を付けたいマナー
心を込めたお歳暮でも、贈り方を間違えると相手を困らせたり、失礼にあたったりすることがあります。
ここからは、お歳暮を贈る際の基礎知識・マナーを解説していきます。
関係性に見合った金額のものを贈る
お歳暮の相場としては3,000~5,000円程度が一般的です。お歳暮には1年の感謝にくわえ、来年に向けての挨拶も込められているため、お中元と比較して2割程度高い品物を選ぶ傾向があります。
また、とくにお世話になった相手なら、1万円くらいのものを選ぶケースもあります。
ただし、あまり親しくない相手へ高価なものを贈ると、同程度のものを贈らなければと気を使わせかねません。お歳暮は、相手との関係性にあった金額で品物を選びましょう。
相手の好みにあわないものや負担になるものは選ばない
選んだお歳暮が相手の好みにあわないものや、受け取っても使い切れないものだと迷惑をかけてしまいます。
- お酒を飲まない方へ高級な日本酒を贈る
- 甘いものが苦手な方へお菓子の詰め合わせを贈る
- 夫婦2人暮らしの家庭に大量の食品を贈る
一例ですが、上記のようなケースでは受け取った相手を困らせてしまうでしょう。
お歳暮は、相手の好みや家族構成にあわせたものを選ぶことも大切です。
熨斗(のし)は蝶結びの水引がかかったものを使う
お歳暮として品物を贈る際は贈答用の包装だけでなく、熨斗(のし)を付ける、または熨斗紙で包みます。熨斗は紅白の水引で、蝶結びのものを使います。
ほとんどの場合、購入したお店で用途にあう包み方をしてくれるため、お歳暮の品である旨は忘れず伝えましょう。
お歳暮を受け取れない立場・職業の方もいる
お世話になった相手でも、お歳暮を受け取れない立場や職業の方がいる点にも注意しましょう。
たとえば、国家公務員や公立校の教職員は公務員に該当するため、規定により品物を受け取れません。民間企業でも、会社ルールで利害関係者から金品を受け取る行為は禁止していることもあります。
お稽古の先生に贈りたい場合も、教室や先生によっては生徒からの贈りものを受け取らない方針をとっているケースもあります。
受け取る相手の事情も考慮し、無理に渡すことにならないよう注意しましょう。
お歳暮を受け取ったときの基礎知識とマナー
お歳暮を受け取った際にも、おさえておきたい基礎知識やマナーがあります。
お歳暮へのお返しは基本的に不要です
が、受け取ったら忘れずにお礼を伝えましょう。
受け取ったお歳暮へのお返しは不要
品物を受け取った際、お返しが必要だと思う方もいるかもしれません。しかし、お礼の連絡をするのはマナーですが、受け取ったお歳暮へのお返しは基本的に不要です。
何らかの理由で特別にお返しをしたいと思う場合は、お歳暮を贈る時期が過ぎてからお年賀や寒中見舞いをお礼として贈りましょう。
お礼状の送付やお礼の連絡をする
お歳暮を受け取ったら、なるべく早くお礼状を出しましょう。お礼状は封書でもはがきでも構いません。
また、親しい家族や友人からお歳暮を受け取った場合は、電話やメールで伝えても良いでしょう。
お歳暮に贈る品物はどんな物が良い?
お歳暮で送る品物は、食べものや日用品など、消費されるものを選ぶケースが一般的です。
消費期限が長く、高級感のあるハムや焼き菓子は普段買う機会があまりなく、特別感を持った商品であるため、お歳暮の定番です。年末年始に親戚が集まる場で楽しめる食品としても好まれます。
ビールや焼酎などのお酒類もお歳暮の定番であり、年末年始の集まりでも需要がある品物です。ただし、お酒を飲めない方やお酒の好みがある場合は注意しましょう。
また、旬の地元特産品や果物などを選ぶケースもありますが、相手の好みにあわないと迷惑になってしまうため注意します。生鮮食品などは日持ちしないため、贈る場合は前もって相手先に届く日を知らせておきましょう。
お歳暮で避けたほうが良い品物
相手が食べられないものや好みにあわないもの以外にも、お歳暮で避けたほうが良い品物があります。
包丁やハサミなどの刃物は「縁を断つ」という意味に受け取れるため、感謝を伝えて来年以降もお付き合いを続ける相手へのお歳暮には向きません。
また、雑貨や衣服なども悪い意味に捉えられるケースがあるため、避けたほうが無難です。
たとえば、ハンカチを意味する「手巾」は「てぎれ」という意味に受け取られる場合があります。靴やスリッパなどの履きもの、マット類などの敷物は、「踏みつける」を連想します。
また、靴下や肌着類は相手の格好を「みすぼらしい」と指摘しているように捉えられるため、お歳暮に贈る品物としては避けましょう。
その他、語呂が良くない品物は縁起が悪いため、贈りものには避けられる傾向があります。数字の「4」は「死」を、「9」は「苦」を連想するため、避けられている数字です。詰め合わせの品物などで4つ入り・9つ入りのものは避けたほうが良いでしょう。
相手に喜ばれるお歳暮を送ろう
お歳暮は今年1年の感謝を込めて、お世話になった相手へ贈る慣習から、12月上旬から12月25日頃までに贈るケースが一般的です。
受け取る相手を困らせない金額で品物を選び、蝶結びの紅白水引がついた熨斗または熨斗紙をかけて渡しましょう。
また、お歳暮を受け取れない職業の方もいるため、迷惑にならないよう注意します。ご自身がお歳暮を受け取った場合、お返しは不要ですがお礼は忘れずに素早く伝えましょう。
かつてはお歳暮を持って年末に挨拶回りをしていましたが、現在はお歳暮を郵送する方も増えています。
郵便局アプリでは、郵便局でお歳暮を送る際の送り状がアプリ上で簡単に作成でき、発送後の追跡も可能です。一部の郵便局では発送時の整理券の発券や待ち時間の検索ができ、スムーズにお歳暮を送れます。
また、郵便局アプリを利用してゆうパックを利用すると180円の割引が適用されます。事前決済のうえご自身で荷物を郵便局に持ち込む必要がありますが、お得にお歳暮を郵送できます。
忙しい年末の時期にも、是非ご活用ください。
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